企業の社会的責任
企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)とは、以下のように定義される。
企業は大規模になるほど、株主の私的所有物から社会の所有物、すなわち社会的存在という性格を強める。このことから、企業は株主ばかりでなく、顧客、従業員、取引相手、さらには地域住民といった利害関係者の利益を実現することが求められるようになる。従って、経営者は企業をそうした社会的存在として運営していく責任、すなわち経営者の社会的責任を負っている。(後略)ー知恵蔵2015
「文藝春秋」2016年3月号によると、ジャニーズ事務所は「連結で年間七百億~一千億円の売り上げが推測される(経済専門誌記者)」という。松竹やグリーの2015年度の売り上げが950億円程度であり、上場企業であれば上位1000社に入る企業規模である。この規模の企業はとっくに「株主の私的所有物」の範疇を越えている。上場企業でなくとも、オーナーが「自分の会社だから自分の好きにして構わない」とは言えないのである。
以下、ジャニーズ事務所がいかに「顧客、従業員、取引相手、さらには地域住民といった利害関係者の利益」を損い、その社会的責任を果たすことを怠ってきたかを考えてみたい。
取引先企業への対応:レコード会社
SMAPが所属するレコード会社、ビクターにとっても「解散」は突然の発表であった。8月15日付デイリースポーツでは
SMAPの所属レコード会社「ビクターエンタテインメント」は14日、デイリースポーツの取材に「すでに発表されたこと以外、コメントできることはありません」とした。同社は17日まで夏季休暇中。「解散は夜中に知った」と話す関係者もいるなど、事態の急転ぶりが浮き彫りとなった。
8月14日付サンケイスポーツでも、「ビクターエンタテインメントの関係者は「解散は夜中に知った。(情報収集で)スポーツ紙を買ってきたところ」と寝耳に水の様子」と、所属アーティストの「解散」を突然知らされたビクターの混乱振りがうかがえる。
この「不義理」は今回だけではない。1月の解散騒動の時は親会社であるJVCケンウッドの株価が下落するという「被害」をこうむったビクターであるが、1月14日付スポーツニッポンでは、「ビクターの社員は「全員が報道を通じニュースを知ったような状態で、朝から社内は騒然となりました」と話す」と、この時もジャニーズ事務所からは事前に連絡がなかったことがわかる。
SMAPはデビュー以来25年の長きにわたってビクターの所属アーティストであり、実はSMAPにとっては「ホーム」とも呼べる存在である。(2001年に稲垣が、2009年に草なぎが謝罪会見を行ったのは、ジャニーズ事務所ではなくビクターの会議室である。)ビクターにとってもSMAP関連の売り上げは大きく、特に2016年はCDデビュー25周年を記念してベストアルバムや新曲、大規模なライブツアーやそのDVDの売り上げが見込まれていたであろう事は容易に想像がつく。
実際、1月13日付毎日新聞では
CDを販売するビクターの関係者は「グループの『分裂』は寝耳に水。今度の騒ぎは、デビュー25周年を記念した新曲やベスト盤も見据えていたところだったので、事態が収束してほしい」と語る。
この記事では「チケット代やCDなど音楽関連収入は100億円を優に超える」ともされている。もちろんそのすべてがビクターに入るわけではないが、ビクターにとっては25周年に向けての準備がすべて無駄になり、大きな売り上げ(2014年3月期のビクターエンタテイメントの単体売り上げは約174億円である)が消失しかねない事態であったにもかかわらず、ジャニーズ事務所からは何ら事前説明がなかったことがわかる。
取引先企業への対応:CM契約企業
SMAPの「解散」はSMAPメンバーをCMに起用している企業にも当然大きな影響を与える。「SMAPのメンバー」としてCMに起用したのに「SMAP」がなくなってしまうのでは、期待された広告効果があげられない可能性もあり、場合によっては事務所に違約金が請求されかねない事態である。さらに先述したように、解散発表後は明らかに事務所主導でSMAPメンバーのタレントとしての価値を毀損する報道が連日行われており、その意味でもCM契約企業は「被害」をこうむっている。
2016年8月14日付日本経済新聞では
メンバーをテレビCMに起用する企業の多くは、14日未明の突然の解散発表に戸惑いを隠さない。チーズのCMに香取慎吾さんを起用する明治の広報担当者は「今のところ情報は入ってきていない。夜中の発表だったので」と話す
と、CM契約企業にも話が通っていないままの突然の発表だったことがわかる。そもそも土曜の深夜に、しかも多くの企業が夏季休暇中にFax一枚で発表は、多くの一流企業を取引先に抱える企業としてありえない対応である。
CM契約企業に対するジャニーズ事務所の不義理は今回だけではなく、1月に起こった解散騒動でも同様であった。2016年1月20日付サンケイスポーツでは、「5人で出演するセブン&アイ・ホールディングスは「関係者からの連絡はないが、契約期間内は継続する」と回答」と、セブン&アイほどの大スポンサーに対しても、事前どころか事後にも事務所からは説明も謝罪もないまま放置されていたことがわかる。セブン&アイはSMAPをCMに起用していたのみならず、ビストロSMAPとのコラボメニューやコラボグッズ、セブンネットでのみ販売される限定盤CD、コンサートチケットの販売など、SMAP関連のビジネスは多岐にわたり、その経済的規模もかなり大きかったと思われる。解散「騒動」が起こっただけでもセブン&アイにとってのダメージは大きい。本来なら経営者がじきじきに謝罪と説明に出向くべき案件である。
その後2016年3月末までにSMAPがグループとしてCM契約をしていたセブン&アイとユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの契約は更新されることなく終了した。事務所の公式発表に沿えば、この時点では「解散」どころか「グループ活動休止」の話も出ていない。1月の重大な「騒動」について責任者が謝罪も説明も行わなかった企業との取引が「リスク」として忌避され、契約が更新されなかった可能性は否定できない。(事務所側が契約更新に応じなかったとの噂もあるが、あくまでも噂レベルである。)
SMAPのCM契約料は1社あたり1億2千万以上とも推定されているが、事務所が失ったのはその契約料だけではない。宣伝会議 「AdverTimes」編集部が2016年1月22日と23日に広告主(スポンサー)と広告会社に対して行った「広告におけるタレント起用」のアンケート調査によると、SMAPの広告タレントとしての価値が「低くなった」と回答した人は62.8%であった。その理由としては「解散騒動によりタレントとそのグループが持つ個性ではなく事務所という存在が巨大なものとしてイメージ化され、そのインパクトがネガティブに捉えられている」という広告主の声や、「トラブルはなんであれ、企業のブランドイメージに直結します。また、今回の件は事務所における管理能力の問題でもあり、タレントだけではなく事務所についてもマイナスであると考えてよいかと思います」という広告会社の声が挙げられており、SMAPのブランドイメージのみならず事務所のブランドイメージの問題であることがわかる。
低下したのはSMAPの広告価値だけではない。「SMAPが所属する事務所の他のタレントの広告起用にも影響があると考えますか?」に対しては52%が「ある」と回答している。「事務所に対してネガティブな印象が強まった」「事務所のガバナンス、コンプライアンス能力に疑問を持つ」などの広告主からの声、また「タレント、並びに従業員の管理能力についての懐疑」などの広告会社からの声が挙げられており、ジャニーズ事務所の対応のまずさが、SMAP以外のジャニーズタレントの広告価値にまで影響を及ぼしている事がわかる。
「SMAPが独立しようとしなければそんなことにならなかったのに」という意見があるかもしれないが、それは違う。少なくとも1月の「騒動」は事務所が企業として当たり前の対応さえ行っていれば防げた事態であった。(そもそもその「独立」騒動が事務所経営者によるパワハラに端を発していることはここではさておく。)
1月の「SMAP解散騒動」は、1月14日発売の週刊新潮に「SMAP解散」についてのスクープ記事が載ることが明らかになったことから始まった。この記事はメリー副社長による飯島マネージャーへのパワハラなど、事務所にとっては不利な情報を含むものであり、それを知ったジャニーズ事務所がスポーツニッポンとニッカンスポーツに情報を提供し、事務所にとって有利な記事が週刊新潮の発売より1日早い1月13日に出ることとなった。
それを受けてジャニーズ事務所は同1月13日、「一部報道機関により、SMAPの一部メンバーの独立問題と担当マネージャーの取締役辞任等に関する報道がなされました。たしかに、この件について協議・交渉がなされている事実は存します」という公式コメントを発表した。
しかし普通に考えれば、ジャニーズ事務所がこのような発表を行う必要はまったくない。ただ週刊新潮を黙殺すればよかっただけのことである。これまで事務所が多くのスキャンダルに対してそうしてきたように、報道を抑え、何も反応せずに「なかったこと」にしてしまえばすんだことを、わざわざ「協議・交渉がなされている事実」を世間に向けて大々的に発表してしまったのはなぜだろうか。(そもそも「協議・交渉」中の案件を交渉の一方の当事者が勝手に発表するのは重大なコンプライアンス違反ではないのだろうか。)
そして1月18日のスマスマ生放送における「公開謝罪」である。誰に、なんのためにSMAPが謝罪させられているのかまったくわからない「謝罪」であり、放送直後から「下手なホラーより怖い」「公開処刑だ」「事務所の対応は最悪」という視聴者の声がネットにはあふれていた。この「公開謝罪」に対しては「パワハラだ」「無理やり謝罪させた」などの意見が放送倫理・番組向上機構(BPO)に約2800件も寄せられる事態となった。
この「公開謝罪」は、ただ経営者が「溜飲を下げたい」という「私欲」のために、本来は「公共の利に資する」ために使用されるべきTV放送を利用したものであった。タレントと所属事務所の間でどのようないさかいがあろうとも、それは内部で解決すべき問題であり、エンターテイメントが提供されるべき視聴者の目前で行われるべきではなかった。本来ならまったく必要がない「公開謝罪」は、SMAPとジャニーズ事務所双方のイメージを著しく傷つける結果しかもたらさなかった。事務所はマネジメントに「失敗」したのである。(さすがに学習したのか、8月の「解散騒動」においては、ジャニーズ事務所はSMAPメンバーは会見を行わないとしている。)
1月の「騒動」がなければ、SMAPは視聴者の気づかないところでじわじわと干しあげられていったのかもしれない。しかしジャニーズ事務所は少なくとも自身と他の所属タレントのイメージを損なうことを防ぐことはできた。マネジメントの失敗により、ジャニーズ事務所はSMAPはじめ所属タレントの「商品価値」を毀損し、ひいては事務所自身の価値を下落させた。上場企業であれば株主から経営者の責任が追及されても仕方がない事態である。
(「ジャニーズ事務所の社会的責任」その3に続く…多分)
SMAPの「解散」は、2016年8月14日(13日深夜)午前1時頃に「報道関係者各位」にFaxで送信された「弊社所属アーティスト「SMAP」今後のグループ活動につきまして」という文書で明らかにされた。実はジャニーズ事務所はこの文書とSMAPファンクラブ会員に対して送付されたハガキ以外一切公式にコメントしていない。
「解散」が事務所からのFaxにより明らかにされた時、NHK総合ではリオ五輪・テニス男子シングルス準決勝、錦織圭VSアンディ・マリー戦を生中継していたが、午前1時18分にSMAP解散を報じる速報テロップが入り、さらに試合終了後の1時39分からはニュース速報で約2分間、解散について報じた。(8月14日付デイリースポーツ)
錦織選手のメダルがかかった試合であった事もあり、試合中の速報テロップに対してはTwitterなどで強い批判があった(五輪中継中のNHKの速報テロップは通常日本人選手のメダル獲得についてである)。また、翌日のスポーツ紙はどれも「SMAP解散」を1面で大きく取り上げ、五輪関連のニュースがかすむ結果となった。
五輪期間中の発表となった事に対し、中居は8月20日放送の自身のラジオ番組で以下のように謝罪している。
今、リオのオリンピックの期間中に発表ということになったことを、スポーツ関係者の皆さま、アスリートの方々、それを支える方々、そして日本中で応援している方々、自分がキャスターとしてやらせてもらっているにもかかわらず、水を差すような時期だったことは申し訳なく思っております。深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
スポーツにかかわることが多い中居は、常日頃から「主役はアスリート」と公言している。今回のTBSリオ五輪キャスター就任に当たっても「オリンピックはアスリートの皆さんがメインなので、僕はあくまでアシスタント側」と述べている(TV LIFE 2016年7月27日発売号、p.13)。その中居にとってこの発表タイミングは悔やまれるものであったことは想像に難くない。
しかしこの件に関してジャニーズ事務所からの謝罪は一切ない。発表のタイミングを決めたのは当然ながら中居ではなく、またたとえそうであったとしても「ジャニーズ事務所からの発表」である限り、発表のタイミングについての責を負うのもまた事務所のはずである。
「SMAP解散」の発表は五輪報道への影響にとどまらず、社会に大きなインパクトを与えるものであった。世耕弘成経済産業相が「コンテンツのアジア展開にとって、解散は決してプラスにならない」、鶴保庸介沖縄北方担当相が「日本のクールジャパン戦略の重要な一翼を担っていただいた」と述べたほか(8月15日付デイリースポーツ)、小池百合子都知事もコメントを寄せた。8月19日付New York Timesは1面でSMAP解散を取り上げ、「ビートルズの解散とサインフェルド(米国の国民的人気コメディドラマ)の最終回、グウィネス・パルトロウとクリス・マーティンの離婚が一度にきたようなものであり、日本の文化的景観における一つの時代の終わり」と日本における社会的インパクトの大きさを伝え、8月14日付BBCもSMAPの解散を伝えている。
「SMAP解散」はこのように大きな社会的インパクトを与える「事件」であるのにもかかわらず、先述したようにジャニーズ事務所からは当初のFaxでの文書以外公式なコメントは(ファンクラブ会員への通知を除けば)一切出されていない。また後述するが、TV局、CMスポンサー、レコード会社など「解散」により多大な影響を受ける取引先に対しても、充分な説明や謝罪は行われていない。
通常、これほど社会的インパクトの大きい「事件」を起こした企業は、まず経営者が表に出て謝罪を行い今後の方針を説明し、取引先企業など「事件」により影響を受ける利害関係者に対し謝罪・説明および善後策の提案を行うために組織の指揮を執る。しかしジャニーズ事務所の場合、その「経営者」は一切表に出てこないどころか、組織をきちんとマネジメントしているようにも見えない。
ジャニーズ事務所の実質的な経営はメリー喜多川副社長(ジャニー喜多川社長の姉)が行っているとされる。また、所属タレントの多くはメリー副社長の娘で次期社長の藤島ジュリー景子副社長がマネジメントしており、SMAPも飯島マネージャー退社後は(実質はどうあれ公式には)ジュリー氏のマネジメント担当となったとされている。
つまりこの二人がSMAPの「事件」に関しての責任者なのだが、表に出ての謝罪・説明はもちろん、組織を指揮して対応に当たるという責を果たしているとも思えない。なぜならば、「解散」が発表されるより早く、8月13日には二人そろってハワイへ休暇に出かけているからである。「SMAP解散」が決定されたのは11日のジャニーズ事務所の役員会議(週刊文春のみ「12日深夜」と報道)であるとされるが、そうであれば休暇に出かけるまでに「解散」による社会的な影響に対する対応策が充分に練られたとは考えがたい。
この二人の責任者が休暇に出かける前に行われたのは、取引先企業への説明ではなくマスコミ対策である。8月12日にはマスコミを集めて事務所から「SMAP解散」をどのように報道するかについてのレクチャーが行われたとされるが、ここで事務所から提供された情報に基づくマスコミ(主にスポーツ紙)の記事は、「解散」の原因をメンバーの不仲に求め、そしてメンバーの人格を貶めるものばかりであった。
そもそもジャニーズ事務所の公式発表からして、「事務所は最善を尽くしたがメンバーのせいでこうなった」としか読めない文章である。普通の企業であれば、社会的影響が大きい事件を起こしてそれを「社員がやったことですから」で済ませる経営者がいたら大きな非難を浴びるであろう。
また、メンバーと事務所が何月何日の何時にどこで会合したというような細かい情報までが報道されているが、こうした情報は事務所からのリークによってしか得られないものである。メンバーと事務所はマネジメント契約を結んだ関係であり、いわば契約に関する内部情報をマスコミに積極的にリークするジャニーズ事務所のコンプライアンス意識には疑問を持たざるを得ない。さらに、いまだ自社に所属しているタレントの商品価値を下げるような情報を積極的に提供することは、そのタレントとのマネジメント契約に違反する可能性があるだけでなく、自社の得られる経済価値も下げることにつながるため、経営者としてはやってはいけないことである(この点についてはいずれ改めて詳述する)
不気味なのは、日頃「世間を騒がせた」事に対し容赦なく「謝罪と説明」を(それが必要ない人間に対してまで)求め、責任者が会見を開いて謝罪するまでは許さないと騒ぎ立て、謝罪会見が開かれれば今度は頭の下げ方まで細かく分析して謝罪が本気かどうかと論じるマスコミが(念のため、そのようなマスコミのあり方を肯定しているわけではない)、ジャニーズ事務所に対しては一切沈黙していることである。社長のジャニー氏や副社長のメリー氏、ジュリー氏に経営者としての責任を問う声はマスコミからは一切上がらず、彼らにインタビューを求めた形跡すらない。解散が発表された時もその後も、マスコミがジャニーズ事務所にコメントを求めて押しかけるという光景は見られなかった(Twitterでは「事務所の周り誰もいない」という目撃談が呟かれている)。解散報道後もジャニー氏は自社タレントのコンサートなどに姿を見せており、メリー氏とジュリー氏もハワイにいることは把握されている。彼らに対してはマスコミが得意な「直撃」が行われていないのはなぜなのか。
マスコミはSMAPメンバーの「不仲」について微に入り細に入り報道することには熱心だが、ジャニーズ事務所が社会的責任を果たすことを怠っている事、またその経営陣が経営者としての責任を果たすことを怠っている点について追求する気はないようである。しかし前述したように、SMAPの解散は単なる芸能ゴシップでなく社会的インパクトのある「事件」であり、ジャニーズ事務所とその経営者が責任を問われてしかるべき事態なのである。
その2に続く
SMAP「解散」に関しては、「当初は「活動休止」でメンバーも合意していたが、8月10日にメンバーから休止ではなく解散したいと申し出があり、解散に至った」というストーリーで公式発表も報道も一致している。
まず、2016年8月14日(13日深夜)にジャニーズ事務所より発表された「弊社所属アーティスト「SMAP」今後のグループ活動につきまして」という文書では
「今の5人の状況ではグループ活動をすることは難しい」というメンバー数名からの要望を受け(中略)8月に入り、待っていて下さる方々の為にも、落ち着いて考える時間を持ち、前向きな状況が整うまでグループ活動をしばらく休むことを提案致しましたが、メンバー数名より「休むより解散したい」という希望が出たことを受け(中略)本日の御報告となりました。
と述べられている。
同じく8月14日付サンケイスポーツでは、
メンバー数人が「今の5人の状況ではグループ活動を継続することは難しい」と主張。出演依頼があった7月の音楽特番も辞退していた。
この状況を受けて、3週間前から、事務所はメンバーに海外での語学留学や芝居の勉強などを含め、グループ活動の休止を提案した。
と、ここでは「3週間前」(7月下旬)から事務所が活動休止を提案した事を報じている。
この「活動休止」については、同8月14日付スポーツ報知でも「3週間ほど前から、事務所側が各メンバーに演技や語学などの海外留学を勧めるなど説得を試みた」、女性セブン2016年9月1日号では「事務所側は各メンバーに演技や語学などの海外留学を勧め」と、いずれもジャニーズ事務所より情報提供を受けていると思われる複数のメディアが「事務所がメンバーに海外留学を勧めた」ことを報じている。
事務所が自社に不利な情報をメディアに提供するとは思えないので、これは事務所にとっては「ここまで親身に身の振り方を考えてやったのにわがままなメンバーはそれすら拒否した」というストーリーを裏付ける情報のつもりなのであろう。事実、8月14日付スポーツニッポンでは「スタッフも「わがままが過ぎる。さすがにひどい」と漏らすほどだった」と、「メンバーはわがまま」だという印象を読者に与える記述がある。(ちなみにスポニチとニッカンはスポーツ紙の中でも特にジャニーズ事務所の意向を強く反映した記事を書くことで有名な媒体である)
しかし、この「活動休止」はそもそも「今の5人の状況ではグループ活動をすることは難しい」というメンバーの主張を受けてのものであったはずである。「メンバー間の不仲」が原因であれば、「グループ活動」が難しくても、個人の活動には支障はない。それなのに事務所が「海外留学」をメンバーに勧めたのはなぜだろうか?「海外留学」すれば、メンバー個人のレギュラー番組なども終了せざるを得ない。つまり、事務所が提案した「活動休止」とは、グループ活動の休止のみならず(少なくとも一部メンバーの)タレント活動を全て休止するということに他ならない。
事実、テレビ朝日系サッカー日本代表応援団長を務める香取は、9月に開幕するサッカーW杯アジア最終予選の同局系中継番組の出演を辞退している。この件について8月20日付サンケイスポーツでは、
ジャニーズ事務所も「本人と話し合った結果、辞退させていただきました」と認め、7月末に同局に辞退する意向を通達したという。
7月末といえば、グループ活動休業について話し合っている時期で、香取が、稲垣吾郎(42)、草なぎ剛(42)と3人で事務所に解散を申し入れた8月10日以前となる。
と、解散どころか「グループ活動休業」についての結論さえ出ていない7月の時点で香取個人のタレント活動がキャンセルになったことを報じている。
香取がSMAPとしての活動のみならず、今後個人としても芸能活動を行わないつもりだったのであればまだわかる。しかし、解散発表後の8月20日に生放送された香取のレギュラー番組「SmaStation!!」では、番組最後の締めの一言を言うコーナーでゲストの東山紀之に対し「3度目も来て下さい、休みません!」とコメントしている。東山が同番組に初出演した11年前は香取はインフルエンザで番組を欠席したため、次は「休みません」というコメントであるが、東山が3度目の出演をするまで番組を続けようという香取の意思を示したコメントでもあると言えよう。さらに、香取が編集長を務め毎回番組終了後に発行される番組広報紙「SmaTIMES」においても、紙面トップに「3度目もお待ちしております!」という言葉を載せている。個人の芸能活動も辞めるつもりである人間とは思えない発言である。ならばなぜ香取の個人活動は7月にキャンセルされ、事務所はメンバーに「海外留学」を勧めたのだろうか?
また、事務所の公式発表では8月に入ってからグループ活動休止の話し合いをしたことになっているが、マスコミの報道では7月からの話し合いであり、実際に7月末に個人活動がキャンセルになっている。公式発表自体に嘘があったのであろうか。ちなみに、8月24日放送の読売テレビの情報番組「ミヤネ屋」では「ことし6月にジャニー社長とメンバー5人が面談→無期限の活動休止を決定」とフリップに書かれた文字を林マオアナウンサーが読み上げている(ただしどこからの情報かは不明)。
そもそもこの「活動休止」がいつまでの予定だったのかすらはっきりしていない。事務所の公式発表でも解散発表直後のマスコミ報道でも、休止期間については触れていない。8月23日発売女性自身では「ひとまず個々の活動を続けながら、最長2年間はグループとしての活動を休止」となっている(ただしこれは、休止期間がはっきりしていないことに対しネットで非難の声もあった事から、後出しで事務所が出してきた情報である可能性も否定できない)。また前述の「ミヤネ屋」では「無期限の活動休止」となっている。
もし当初の予定通りSMAPが「活動休止」していれば、SMAPファンはファンクラブに会費を払い続けながら2年間、あるいは無期限にSMAPの活動再開を待ち続ける事になっていた。
この状態から思い起こされるのが同じジャニーズ事務所所属の少年隊である。それまで毎年公演を行っていたミュージカルPLAYZONEを2008年をもって終了して以来、少年隊はグループとしての活動を行っていない。少年隊ファンによると、チケットが売れなくなったわけではなく、メンバー自身も終了に納得していない様子であったにもかかわらずである。事務所は少年隊の活動については「休止」とは発表しておらず、ファンクラブもそのまま存続している。少年隊のファンたちはいつまたあるかわからないグループ活動を待ってファンクラブ会費を払い続けている。
グループCMの終了や音楽番組出演の取り止めなど、グループ活動の減少が続く中で、「事務所はSMAPを少年隊のようにしたいのでは」という推測はSMAPファンの間でも囁かれていた。実は2016年5月6日付のサンケイスポーツでは、「年齢なども考慮して25周年以降は、少年隊のように名前は残るが、グループの音楽活動は控え、ソロ活動が主となる可能性は大きい」とジャニーズ担当記者が署名記事で書いている。ジャニー喜多川社長が4ヶ月ぶりに取材を受け、SMAPについて語ったことを報じる記事の中での記述である。この5月の時点でジャニー氏あるいは事務所から「SMAPの少年隊化」プランについて聞かされていた可能性は否定できない。「メンバーの不仲」を理由に事務所がメンバーと活動休止について協議したとされているより前の時点での話である。
「年齢なども考慮して」とあるが、2014-2015年の「Mr.S」ライブツアーでは、SMAPは東京ドーム5日間連続公演を皮切りに22公演で計100万人以上を動員している。通常で3時間以上、ツアーファイナルでは4時間以上のライブであった。この時点で最年長の中居は42歳である。また、新曲を出して音楽番組に出演するのに年齢はそれほど関係ないであろう(「もっと若いグループにその枠を譲れ」という事務所側の考えがあったのであればそれはまた別の話である)。
もう一度まとめると、ジャニーズ事務所が提案しメンバーが最終的に拒否した「活動休止」案とは、つまりグループ活動のみならず(少なくとも一部の)メンバーの個人活動の休止まで含んだものであった。個人のレギュラー番組までやめて事務所の勧めどおり留学した場合、現在の芸能界では戻ってきた時に以前のようには仕事ができないリスクはかなり高い。特にこれまでの経緯を考えれば、休止後の活動再開に対し事務所のサポートが充分に得られるかどうか、メンバーが信頼できなかったとしても仕方がない。また、ファンにとってはいつSMAPとしての活動が再開されるかわからないという不安な状態のままでファンクラブ会費だけを払い続けるという事態になる可能性があった。
メンバーにとって、そのような「活動休止」案を受け入れたほうがよかったのか、そしてそれ以外には「解散」という選択肢しかなかったのかはわからない。しかし、報道されているように「メンバーが不仲でグループ活動できないので事務所は活動休止を提案したが、メンバーはそれを拒否して解散となった」というストーリーだけでは説明がつかないことがあることは事実である。
SMAP「解散」に至るプロセスは、ジャニーズ事務所によって提供されたと思われる詳細(すぎる)時系列がメディア各紙によって報じられている。しかし検証してみると、この時系列には矛盾も多い。
「8月10日にSMAPのメンバーから事務所に「解散」が申し入れられ、翌11日の役員会議で解散が正式に決まった」とどのメディアも一致して報じている。8月17日発売の「週刊新潮」では、メンバーはジャニー喜多川社長と午後4時から1時間半近く面談したとしている。しかし、以前のエントリーで検証したとおり、ジャニー氏は同日17時ごろから代々木体育館で複数の人間によって目撃されており、16時から1時間半の面談は不可能である。そもそもこの日の面談は存在したのか、存在したのであればそれはどれぐらいの時間の面談であったのか疑問である。
一方、8月25日発売の「週刊文春」9月1日号では、それとは少し違う時系列となっている。文春によれば、10日の面談ではジャニー氏が反対したため、12日に事務所顧問の小杉理宇造氏(文春の記事はこの小杉氏がソース元であると推測される部分が多い)がメンバー4人と面談し、その後役員会にて13日深夜(12日深夜で日付的には13日と思われる)に解散が正式決定した。ジャニー氏は最後まで反対であったという。筆頭株主であり社長のジャニー氏が反対なのに解散が決定できるのかという疑問はここではさておく。
12日にジャニーズ事務所から「SMAP解散」についてマスコミにレクチャーがあったことは、芸能レポーターがTV番組で話している。また、8月25日発売「週刊新潮」9月1日号によれば、このレクチャーは「12日夜」であったという。週刊文春が13日早朝に自宅を出る中居を直撃し(注1)、解散発表が13日深夜(ネットメディアによる第一報は13日22時頃)であったことからも、事務所がマスコミにレクチャーしたのは12日の夜であり、この時には解散は決まっていたとみて間違いないだろう。
しかし、12日は中居はTBSでリオ五輪の生中継が朝9時から12時まであり、朝早くから少なくとも12時まではTBSにいた。一方香取はこの日「おじゃMAP!!」のロケを昼12時過ぎから深夜1時過ぎまで行っている。12日の深夜までこの二人が揃うことは物理的に不可能である。
12日に香取が収録したのは8月24日放送の佐々木健介とのロケと、8月31日放送の渡辺直美とのロケの2本である。佐々木健介は8月12日のブログで「ノンストップが終わって、そのまま《おじゃMAP!!》の皆さんにお世話になりました」と書いている。この日11:48のエントリーでは「(ノンストップ)終わったすぐですが、これからロケに行って来ます」とあることから、昼の12時ごろにはロケはスタートしていると考えられる。また、12:30頃にはフジテレビにおいて佐々木、香取、及び番組レギュラーの山崎弘也の目撃談がTwitterに投稿されている(この日のロケはフジテレビ玄関からスタートであった)。また、同日18:30過ぎには表参道(この回のロケの最終目的地)で佐々木、香取、山崎の目撃談がTwitterに投稿されており、少なくともこの時間まではロケであったことがわかる。
その後、20時過ぎには代々木公園で渡辺直美、香取、山崎の目撃談がTwitterに投稿されている。その後渋谷でロケを行った後、亀戸に移動してのロケではロケの進行とともに「PM11:20 」「PM11:50」「AM0:30」のテロップが画面に出た。さらに「おじゃMAP!!」では毎回ロケ後に山崎が番組を宣伝するための動画を撮影しているのだが、この回の動画では山崎は「今深夜1:12」と述べている。
文春が嘘を書いていて、やはり他紙の報道どおり「10日面談、11日の役員会で正式決定」であったとしよう。その場合、「なぜジャニーズ事務所はこれほど事を急いだのか?」という疑問をもたざるを得ない。以下この時系列が正しいと仮定して検証してみよう。
10日の16時からジャニー氏と面談したのであれば、面談時間は1時間以下である。「SMAP解散」は首相以下閣僚がコメントし、New York TIMESやBBCでも報道され、NHKすら五輪中継中に速報テロップを入れるほどの大事件である。ジャニーズ事務所にとっても大きな売上げ(注2)を失う事態となる。それほどのことをメンバーと1時間も話していないうちに「よしわかった」となるものだろうか。それまでメンバーから「解散」という言葉は出ていないことは各紙とも一致している。事務所にとっては寝耳に水の発言のはずである。そもそも「解散したい」「はいどうぞ」となるほどタレントの意志を尊重してくれる事務所なら、2016年1月18日のスマスマでの公開謝罪は行われなかったであろう。
しかし事務所は翌11日には役員会を開いて解散を正式決定してしまう。まるで「解散」という言葉がメンバーから出る事を待ち構えていたかのようだ。この時、木村拓哉はハワイで家族と休暇中のため不在である。木村自身にとっても大きな影響を与える決定を、本人不在のうちに行えるものだろうか。木村が帰国するまで待つ、あるいは「こういう事態になったから今すぐ帰って来い」と言えなかったのだろうか。
そして12日にマスコミを集めてレクチャー、13日深夜には発表と、ジャニーズ事務所は迅速すぎるほど迅速に動いている。まるであらかじめスケジュールが決まっていて用意されていたかのようである。これほど急いで五輪開催中に(事務所所属の中居と櫻井はTBSと日テレで五輪キャスターを務めている)「解散」を発表しなければならなかったのはなぜだろうか。
どのように発表するか、CMスポンサーやTV局にはどう説明するか、解散までのタイムスケジュールはどうするか、ファンクラブの取り扱いはどうするか。「解散」が決まったあとで事務所が決めなくてはいけないことは山ほどある。しかも、実質的な経営者であるメリー喜多川副社長と、その娘であり次期社長であるジュリー藤島氏は13日からハワイで休暇である。重要なことはその前に全て決めてしまわなくてはいけないのだが、それに充分な時間があったのだろうか。疑問は尽きない。
注1:8月17日発売「週刊文春」によると、「解散発表前日の十三日朝、リオ五輪の番組に出演するために自宅を出た中居を直撃した」(p.29)というが、この日のTBSリオ五輪中継は朝7時からであり、自宅を出たのは5時前であると推測される。したがって、文春が解散について知ったのはそれより前である。
注2:「文藝春秋」2016年3月号によると、ジャニーズ事務所は”「連結で年間七百億~一千億円の売り上げが推測される。そのうちSMAPの売上げは二百五十億円と言われています」(経済専門誌記者)”(p.195)
「週刊新潮」2016年8月25日秋風月特大号に「SMAP解散の魑魅魍魎」という記事が掲載された。記事は「総力取材!特集」と銘打っている。しかしこの記事にはいくつかの疑問点がある。以下それらの疑問点について検証してみたい。
ジャニー喜多川氏分身の術の謎
記事ではある「芸能関係者」が何月何日にこういう事があったと非常に詳細な時系列を述べており、それゆえこの記事は大変信憑性があるもののように見えるのだが、その中に次のような記述がある。
そして翌日午後4時、蓋を開けてみるとジャニー氏の元に木村以外の4人がやってきて1時間半近く面談。(p.25)
この「翌日」は2016年8月10日のことである。しかしこの日はジャニーズグループ、ABC-Zのコンサートが国立代々木競技場第一体育館で開催されており、ジャニー氏はこのコンサートを見に来ていた事が、当日コンサートに参加していた複数のファンによってその日のうちにTwitterで呟かれていた。ある呟きによると、ジャニー氏は開演3分ぐらい前に会場に入ってきたという。開演時間は17時であり、開演が若干遅れたという話もあるが、やはり17時ごろにはジャニー氏は代々木体育館にいたと見て問題ないだろう。とすると「16時から1時間半近く」メンバーと面談したというジャニー氏は一体誰だったのか?
この8月10日のジャニー氏との面談で4人が「解散」を申し入れたとの報道は新潮以外のメディアでも一貫している。どれも情報ソースが事務所である(SMAPから提供されたのでない限り、もう一方の当事者である事務所しかこの情報は提供できない)からであろうが、これまで「休業」でまとまっていたものを4人がいきなり「解散」を言い出したとされている。しかしもしそうであれば、ジャニー氏はじめ事務所側は驚き、説得にそれなりの時間を費やすのではないだろうか。「解散」ともなればジャニーズ事務所の経済的損失は計り知れない。もし16時からのジャニー氏との面談で「解散」が決まったのであれば、その面談は1時間以下であったことになる。そのような短時間で事務所にとってもこれほどの大事が決まるものだろうか?
スマスマ観覧客の謎
また記事では木村と4人の仲が険悪だったという例として、1月18日の公開謝罪の3日後に行われたスマスマ収録を挙げ、この時の5人の雰囲気が大変悪かったとしている。
メンバー全員が揃って歌うシーンを収録した時のことです。(中略)ところが、稲垣や草なぎ達は完全に無視していた。キムタク以外の4人は皆、顔がこわばっているというか、死んだ魚の眼をしているというか……。さすがに観客たちもドン引きしていました」(フジテレビ関係者)(p.26)
しかし、実はスマスマの歌収録にはもともと観客は入っていない(例外としてライブ形式の演出の場合は観客が入るが、この日の歌収録は5人で歌ったサザンの「涙のキッス」と桐谷健太と歌った「海の声」であり、5人がしっとりと歌い上げるという演出であった)。毎週スマスマの収録現場の取材を行っているTVガイド誌すらこの日は取材に入れず、フジテレビからメディア各社に提供された1枚の写真を掲載したのみである。この「フジテレビ関係者」が見た「観客たち」は存在したのだろうか?
なお、この収録翌日の新聞報道では、「収録は和やかに行われた」「リハーサルでは、いきなり草なぎ剛(41)が奏でたギターのチューニングがずれていたため、メンバーもスタッフも爆笑。一気に和やかなムードになった」「収録は終始穏やかな雰囲気だったという」となっていた。(2016年1月22日付ニッカンスポーツ)
「自暴自棄」な香取?
記事の中では、「スポーツ紙の芸能デスク」がメンバーの中では香取が今後最も心配だとして以下のように述べている。
「独立騒動で一番ショックを受け、とにかくやる気を失くしています。最近も周囲に芸能界に未練はない、という趣旨の発言をし、自暴自棄になっている(後略)」 p.28)
この「香取がやる気を失くしている」説は、ジャニーズ事務所から情報提供を受けていると思われるメディアには共通した論調である。今回の解散報道では基本的に香取が「戦犯」とされており、SMAPどころか芸能活動自体を続ける気力をなくしているとされている。
しかし、8月20日に生放送された香取のレギュラー番組「SmaStation!!」では、ゲストの東山紀之に対し「3度目も来て下さい、休みません」とコメントしている。これは11年前に東山が同番組に初出演した際、香取はインフルエンザで番組を休んだという経緯を踏まえてのコメントであるが、東山が3度目のゲスト出演するまで番組を続けようという香取の意思を示したコメントでもあると言えよう。芸能活動を続ける気力をなくしている人間が、わざわざこのような発言をオンエアでするだろうか?
なお、SmaStation!!では毎回放送終了後に香取やゲストのコメントを載せた「SmaTIMES」という新聞を発行しているが、そのトップには毎回香取がその回について語った一言が掲載されている。東山ゲストの回のそれは「3度目もお待ちしております!ありがとうございました!」であった。
以上、「週刊新潮」の記事に対する疑問点を検証してみた。この記事にどれぐらいの真実が含まれているかはわからない。しかし「総力特集」を謳っておきながら、少し調べればすぐにわかる矛盾が複数記事に含まれていることから、この記事が100%真実であるとはとても言えないのではないだろうか。